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“マーチマッドネス”

その異常なまでの熱狂ぶりから「3月の狂乱」と呼ばれるNCAA（全米大学体育協会）バスケットボールトーナメントがいよいよ開幕です。

アメリカのカレッジスポーツではアメフトとバスケが突出した2大人気スポーツで、これらは完全にビジネス化しており動くお金もケタ違いです。強豪校になれば大学スポーツにも関わらず、ナイキやアディダスなどがチームのスポンサーにつき、優秀なヘッドコーチは何億もの報酬を得ます。

普段はNBA専門なので、カレッジバスケについてはあまり詳しくない私ですが、バスケ好きなら今年はこのNCAAトーナメントに注目せざるを得ません。なぜなら、この「march madness」にNBAからも注目されている日本人選手、八村塁がいるからです。

八村の所属する「ゴンザガ大学」はディビジョン1に所属する全米でも強豪校の一つ。最新のパワーランキングでは４位に位置付けられています。2年前のNCAAトーナメントでもゴンザガ大はファイナルまで勝ち進んだのですが、この時1年生の八村は出場機会がほとんどありませんでした。それから2年、今年3年生になった八村はこの強豪校の中心選手です。エースと言っても良いかもしれません。

八村はハーフとはいえ、日本人選手がNCAAの強豪校で中心選手になるなんて考えられなかった出来事で、まさに快挙といえます。
NCAAトーナメントでどこまで勝ち上がれるかはわかりませんが、八村の快挙はさらに続きます。

今年3年生の八村は大学でのキャリアをあと1年残して、今年の6月に行われるNBAドラフトにエントリーする事が確実視されており、エントリーすれば全体の10位前後での指名もあるのでは言われています。

NBAは全部で30チーム。各チーム2人しか指名できないので、NBAプレーヤーになれるのは、世界中でわずか60人しかいません。

八村は、そのわずか60人のなかでもさらにトップ10の価値をつけられているという事になります。

もちろんドラフト上位で入団したからといってNBAで活躍できる保証は全くありません。

有力なドラフト候補生のほとんどは大学には一年しか行かずにNBA入りしてきます。今年すでに3年の八村は成長の余地が少ないとか、パワーフォワードではサイズが足りず、スモールフォワードでプレイするには、ハンドリングとシューティングに課題が残るなどとも言われています。

しかしNBAでドラフトされること自体が、日本のバスケ史上とんでもない快挙な訳で、その快挙の瞬間がもう少しで訪れようとしています。ゴンザガ大がNCAAトーナメントで優勝し、BOSTON CELTICSが八村を指名したりなんかしたら。。。。

ちなみにドラフト1位で指名されるのが確実と言われているのがデューク大のザイオン･ウィリアムソン。この前、試合中に履いているシューズが破損し負傷したことで、シューズを提供しているナイキの株価が急落し一瞬で1200億円減少したとか。。。

結構な騒ぎになっていたようです。

tomoaki ozaki